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第一章 通説
- 第一 自動砲教練ノ本旨
- 自動砲ハ常ニ犠牲的精神ヲ發揮シテ第一線ニ活躍シ歩兵戰鬪ノ機微ニ投ジテ火力ヲ發揚シ戰鬪ノ要求ヲ遺憾ナク充足スルヲ要ス状況之ヲ要スレバ自ラ突撃ヲ敢行スルノ概ナカルベカラズ
- 第二 戰鬪ノ基礎教練
- 戰鬪ノ基礎タル諸教練ハ分隊ヲ以テ完成スベキモノトス
- 第三 自動砲ノ任務
- 自動砲ノ主要ナル任務ハ近距離ニ於ケル敵ノ戰車ヲ撲滅スルニ在リ所要ニ應ジ近距離ニ於ケル側防機能特ニ銃眼ニ對スル射撃等ニ任ズ
- 第四 任務達成ノ爲重要素因
- 適切ナル指揮、嚴肅ナル射撃軍紀、精熟セル射撃動作及敏活ナル行動ハ自動砲ノ任務達成ノ爲重要ナル素因ナリ
- 第五 自動砲射撃ノ要訣
- 射撃ノ要訣ハ好機ニ投ジ不意ニ射撃ヲ開始シ至短時間ニ威力ヲ發揚スルニ在リ之ガ爲陣地ヲ秘匿シ射撃準備特ニ距離ノ測定ヲ適切ニシ且射彈ノ觀測修正ヲ適正ナラシムルコト緊要ナリ
〔註〕自動砲ノ生命ハ射撃ナリ故ニ射撃ハ特ニ意ヲ用ヒテ教育スルヲ要ス尚砲ノ整備ヲ完全ナラシメ以テ必中ノ信念ト無故障ノ自信ヲ養成スルヲ要ス
- 第六 警戒及秘匿
- 自動砲ハ四周ニ對スル警戒ヲ嚴ニシ其ノ行動ヲ機敏ニシ陣地ノ秘匿ニ注意シ常ニ準備ヲ整ヘ機ヲ失セズ急襲的射撃ヲ實施シ得ルヲ要ス
- 第七 自動砲ノ行動
- 自動砲ハ有ユル障碍ヲ克服シ常ニ一般歩兵ト行動ヲ共ニスルヲ要ス之ガ爲困難ナル地形及夜間ニ於ケル行動特ニ臂力ニ依ル長距離ノ搬送ニ習熟スルコト緊要ナリ
- 第八 運動
- 自動砲ハ運動間敵火ノ状態ニ依リ地形地物ヲ利用シ各個、區分、匍匐等ノ前進法ヲ用ヒテ巧ニ敵ニ接近シ機敏ニ砲位置ノ小移動ヲ行フ等我ガ損害ヲ避クルト共ニ敵ノ意表ニ出デテ敵ヲ急襲スルコト必要ナリ
- 第九 兵器ノ點檢、手入
- 自動砲ハ戰鬪間ト雖モ兵器ノ點檢、手入ヲ勵行シ常ニ砲、觀測具ノ精度ヲ良好ニ維持スルト共ニ特ニ彈藥ノ節用ヲ圖リ其ノ補充ニ留意シ緊要ノ時機威力ノ發揚ニ遺憾ナキヲ要ス
自動砲ハ其ノ構造機能精巧ニシテ一部ノ故障モ砲ノ機能ヲ害シ之ヲ衰損セシメ或ハ其ノ命數ヲ短縮セシムルモノトス故ニ常ニ其ノ手入ヲ怠ラズ點檢ヲ確實ニ實施スルヲ要ス
- 第十 損傷ニ對スル動作
- 自動砲ハ多數ノ損傷ヲ生ズルモ手段ヲ盡クシテ戰鬪シ縱ヒ最後ノ一兵トナルモ飽ク迄奮鬪シ砲ト運命ヲ倶ニスベシ
自動砲ハ其ノ任務上重要ナル時機ニ於テ使用セラルルコト多キヲ以テ短時間ノ射撃中止モ戰鬪ノ利害ニ關スルコト大ナルモノナリ之ニ加フルニ敵モ亦自動砲タルコトヲ發見セバ之ヲ撲滅センコトヲ勉ムルヲ以テ損害ハ常ニ大ナルモノト覺悟セザルベカラズ故ニ如何ナル苦戰ニ陷リ其ノ人員、兵器ノ損傷ヲ受クルトモ最後ノ一人トナル迄奮戰スルヲ要スルモノトス之ガ爲自動砲手ニハ常ニ此ノ精神ヲ以テ教育ヲ行フヲ要スルモノトス
- 第十一 自衛ノ處置
- 自動砲ハ自衛ノ爲所要ノ警戒法ヲ講ジ對戰車肉薄攻撃ヲ準備シ要スレバ捜索ヲ行ヒ又馬ノ處置ヲ適切ニシ特ニ砲(爆)撃等ニ對シ混亂ヲ豫防シ損害ヲ減少スルコト緊要ナリ
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