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十四丁表
第三
○山たかき谷.たにの朝.あさきり海.うみに似.にて松吹.ふく風.かぜを浪.なみにたとへん
　四国.しこく霊場記.れいじやうき第六に出たり。豫州.よしう岩屋寺.いはやてらは。仙人
　窟.せんにんくつにて言語.ごんごに絶.たゑたる奇.あやしき巌.いはほあまたあり。
　四国随.ずい一の奇観.きくはん。縁起.ゑんき等.とう霊場記にのせたり。
　御哥の心は。かゝる神窟.しんくつ霊岩.れいがんの。山たかきを見れば。
　谷の朝ぎりは海ににたり。幸.さいはひ松風のおとは浪.なみに
　たとふべしとは。明かに聞.きこゆ。底.そこの御心は。朝ぎりと
　は。衆生.しゆじやう無始.むし無明.むみやう煩悩.ぼんなうの義.ぎなり。業障.ごうしやうの山
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