（参）新撰大津ゑ婦し 二
いづミなるしのだのもりの
うらミくずの葉 わがほん
しやうハきつ子なり 聞て
やす名ハびつくりけうてんし
たとへそなたハきつ子でもこの子を
いままでうミそだて ま一チどあいたひ
見たひとたちあがる くずの葉いまさら
なごりをしけれどひよくのちきりもこれ
までとふるさとさしてかへりゆく
（参）日本音曲全集四（うた澤）
たづね来て見よ、和泉なる、信田のもりのふる里を、志やうじに残せし、筆の跡、涙で消ゆるきつね火や、エヽうらみとはくずの葉よ、童子はかはゆうないかいな。