来栖山南中世墓群
墓の表情
石組1 石組2 石組3
墓穴1 墓穴2 墓穴3
　地表に造られた石組は、きれいな四角になっているのもあれば、円のような不定形のようなものもある。二つ以上の石組がくっついて、近縁関係を暗示するものもある。その内側には、小さい石が敷かれ、石仏か五輪塔が据えられていた。現存する石仏や五輪塔の残欠は、墓の数よりかなり少ないが、調査以前に馬場の無縁墓地に数十基が移されているし、それ以外にも持ち去られたものもあったろうから、基本的にはすべての墓に石仏か五輪塔が据えられていたと考えてもいいだろう。近世から現代にかけて一般的な、文字を刻んだ墓碑は、一つも発見されていないようだ。
　ごく一部の墓だけが、8月8日までに下部を発掘調査されていた。ある墓では、その場で火葬が行われたことを示す痕跡が見られる。他の墓の発掘が進むことで、個別墓火葬から共同火葬場への、時代的な変化が証明されるかも知れない。
来栖山南中世墓群