（参）染川翫楽作　十二月　よしこのぶし

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• とんとんとん　
  まず初春の　暦開けば　
  心地良いぞや　皆姫はじめ
• 一つ　正月　
  歳を重ねて　弱いお客は　
  つい門口に　御礼申すも　
  新造禿は　財の瓦器　
  取りどり
• なずな七草　囃立れば　
  心行き行き　ついお恵比寿の　
  じっと手に手を　注連の内とて　
  奥も二階も　羽根や手鞠で　
  音もどんどと　突いてもらえば　
  骨正月や

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• 摩耶も祭りか　初午そうに　
  抱いて涅槃の　雲に隠るる　
  屏風の内に　床の練供養　
  撞くや夜明けの　鐘の響きは　
  権現祭り

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• 桃の節句は　汐干と云うて　
  痴話の炬燵で　足に貝踏む　
  衆道月こそ　高野御影供や　
  さて水揚げや

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• 卯月々々　物近う広々　
  釈迦も御誕生　息も絶え絶え　
  撞くや夜明けの　鐘の響きは　
  権現祭り

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• 濡れてしっぽり　五月雨月の　
  道鏡祭りの　節句恩田の
  紋日喜契紙　長命薬　
  まくや粽の　幟竿立て　
  長命薬

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• とんヽヽヽヽまづはつ春の。こよみひらけばここちよいぞや皆ひめはじめ

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• 一ツシヨウガツトシヲカサネテヨワイヲキヤクハツイカドグチニ。ヲレイ申スモシンゾカムロハザイノカワラケトウリドリ。

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• ナヅナナヽ草ハヤシタツレバ心ユキユキツイヲヘベスノ。ジツト手ニ手ヲシメノ内トテヲクモニカイモハネヤテマルデヲトモドンドトツイテモラゑバ、ホネシヨウカツヤ。

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• マヤモマツリカハツ馬ソウヲニダイテヘネハンノクモニカクルルビヨウブノ内ニトコノネリクヨツクヤヨハケノカネノヒビキハゴンゲンマツリ。

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• モモノセツクハシホヒトイウテチハノコタツデ足ニカイフムシウドウヅキコソコウヤメヘクヤサテ水アゲヤ。

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• うすぎヽヽヽものちこひろヾヽしやかも御たんじよふいきもたへヾヽつくやよあけのかねのひヾきはこんげんまつり。

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• ぬれてしほりしやみだれ月のどふきやうまつりのせつくおんだのもんひきけにしちよめいぐすりまくやちまきののぼりさをたてちよめいぐすり

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