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島下郡と豊島郡を屏風のように隔てていた三蓋峰の西側の最奥部の谷、奥池から流れ出す暗渠水路は、中国縦貫道を越えて東豊中で地上に顔を出す。仏念寺山断層の西側を流れ下り、熊野田の南で天竺川に合流する。この川の流れる「竹谷」は、17世紀後半、桜井谷と熊野田の両村が激しい境界争いを繰り広げた舞台だった。しかし、その頃の史料には「兎川」の名前は登場せず、この可愛らしい名前がいつの頃からのものなのかは、よくわからない。短い流域の川なので、集水力はさほどではないが、深谷池・三ツ池・青池といった大きな溜池が両側に設けられていたことから、この谷の潅漑には相当に力が入れられていたことがうかがえる。 |
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今や、東豊中一帯は、すっかり住宅地になってしまい、兎川も灌漑用水としての重要性を失ってしまった。しかし、熊野田近くでは、所々残る農地の周辺に、堰や樋門を持った井路を見かけることがある。 |
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形としては、まっすぐ南下してきた兎川に、天竺川が流れ込んでいるようになっているが、天竺川の方が大きい流れなので、兎川は支流扱いされている。 |