千里山マーケット

マーケットの東裏にある、事務所入口。年期の入った表札が掲げられている。よくよく見ると、昔なつかしい阪急マークである。阪急の社名が、戦時中以来の「京阪神急行電鉄」であった時代、電車の側面には、このようなマークがついていた。現在では、本家阪急はCIを経て、社名もロゴも一新されている。このマーケットのロゴも、タイトル写真のように、新しくなっている。しかし、この表札だけには、戦後も長い間親しまれた、丸いマークが生き残っている。 1999.10.22

• 平井勝氏 1999.10.5
  いやいや、懐かしいお店がみんな潰れていくのは悲しいものがあります。この春に帰ったとき、久し振りに千里山マーケットの２階に上がりましたが、２階の散髪屋さんは変わってなかったですね。子供のとき通いました。
• のらねこ商会店主 1999.10.6
  実は、私は、あどこに二階があることを、はっきり認識したのは、ほんの最近、一昨年くらいなのです。そう言えば、いろいろ看板が出ているのは眺めていましたが。マーケットが建てかわる前はどういう構造になっていたのでしょうか。
• 平井勝氏 1999.10.6
  できた当初から２階は存在し、内科医院、歯科医院、散髪屋などが入っていました。ちなみに歯科医院は同級生のお父さんでした。１階の屋根の上に当たる通路は、昔は柵が縁ギリギリにあったように思います。今は通路分しか確保されていませんが・・・。小２のころにその部分から飛び降りたことがありましたが、怪我をしたかどうかは覚えていません。マーケットの東側の入り口には惣菜店(今もあるのかなあ)があり、そこの揚げたてのコロッケを当時１０円で買い、テレビ公園で食べた覚えがあります。私が小２か小３のころ、泥棒が入り現金や商品などが盗まれ、脱糞までされたそうで、それまで夜間は無人でしたが、交代で宿直するようにしたそうです。今でもそうしているのかは不明ですが・・・。

　さてさて、千里山の伝統的小売店界も、ピーコックの進出に伴って、またまた激動の時代を迎えようとしている。千里山マーケットも、建物のリニューアル以来、比較的おとなしくしていたが、ここに来て俄然「食彩市場」の看板（同じフレーズは、以前からモンマルシェのガラス壁にも書かれているのだが）が掲げられ、また「(株)阪急千里山マーケット」の社名が前面に登場するようになった。

　従来、周辺地域への大規模店の進出や、市当局の道路計画、駅周辺の再開発問題等に関連しては、主に中央市場側の動向が話題の中心となり、千里山マーケットはその陰に隠れ、語られる機会が少なかった。もしかすると、これからは、ここが千里山小売界の、新旧対峙の前線となるのかも知れない。

　踏切を挟んで永遠のライバル、マーケットと中央市場。伝統的に千里山の物価は高いと言われてきたが、南千里にジャスコができ、佐井寺の生協や、先日オープンした関西スーパー等の影響で、状況は日々変わりつつある。

　朝、ここの前を通ると、浜村淳の早口の喋りが聞こえる。小学生はここの屋上を通り抜けて遊ぶ。

さて、その屋根。雪の日は、ここに登るとたいへんよい眺めだ。だから、遅刻もかまわず、つい立ち寄ってしまうのだ。 　雪とは何の関係もない話。昔は、私鉄沿線の企業や商店は、その私鉄名を冠した名称を持つことが多かった。だから、このあたりには、業種を問わず、やたら「阪急○○」という店があった。このマーケットも、かつては「阪急千里山マーケット」だった（その名残は、東側出口付近にかかっている古い木の表札にある）。しかし、阪急側から、経営上阪急と関係のない企業・商店に対して、「阪急」の名称を使わないよう求めることが行われ（ここ二十年ほどの間のことだと思う）、ここも単に「千里山マーケット」となった次第。 訂正... と思っていたのだが、よくよく見ると、千里山マーケットのロゴには、目立たないが"Hankyu"の文字があり、名前を変えていたわけではないようだ。 　スペースが余り気味なので、もっと関係ない話を書く。関大前のビリヤード屋の看板が「文字落ち」しているのが、前から気になっていた。外装も古びていたので、あまり修繕する意欲もないのだろうと思っていた。ふと気付くと、外壁がきれいに塗装し直されている。でも看板の文字は欠けたままだ。ずっと不思議だったが、この間電車の窓から眺めているときに、ようやく納得した。店名をHankyu Billiardから、Han Billiに変えてしまっていたのだ。阪急から文句を言われて、経営者も困ったなあと思ったのだろうが、やけくそで「えーいハンビリにでもせい！」となったのだろうか。それが奏功した...というわけではないだろうが、ハンビリは夜遅くまで学生で繁盛している。 1999.9.28