ある年の弘法さんの縁日の朝、別に古ラジオがほしかったのではなく、安い古書または古文書の束がないかと物色していただけなのですが、何だかんだで道具屋の親爺との路上漫才の結果、このラジオを大きなビニール袋に入れて持って帰ることになりました。おかげで、二十数年ぶりにハンダゴテを握る羽目になり、この「眠れる森の真空管」にラジオのページが誕生したというわけです。おそらくぼちぼち還暦を迎えるであろうこのラジオが、ほんのわずか手を入れただけで、曲がりなりにも音を出したのには素直に感動したものです。

• 観察
• 修繕
• その後

• このラジオを見る(QuickTime VR 245KB, with RCA 47)
  (適切な出力管が手に入る前、かわりに47を取り付けて撮影したものです)
• このラジオを聴く(MP3 520KB, with CUNNINGHAM C-333)

失われた出力管の代用として調達した米国球。左から CUNNINGHAM C-333 PHILCO 33 RCA 47 おそらくは「大本営発表」を叫んでいたこともあったろうこのラジオ、今頃になって「進駐軍」を受け入れることになるとは、想像もしていなかったでしょう。47は本来「論外」なのですが、最初にこのラジオが曲がりなりにも「生きている」ことを証明した功績はあります。33はリリーフ役としてよく働いてくれました。