1862（文久２）年。この三月に、御影堂（大通堂）が再建されており、その落慶法要を兼ねて百四十年の遠忌が行われたのだろう。
融通念仏宗総本山。大阪市平野区。融通念仏を創唱した聖應大師良忍（1072〜1132）により、1127（大治２）年、大念仏根本道場として創建。
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大念仏寺四十六世融観（1654〜1721 とも 1649〜1716 とも）。在家の頃から天台・禅等を学び、出家後四十五世良観と共に融通念仏の復興に努力。幕府の宗教政策としての寺請制度・本末制度が確立する17世紀後半、宗規の制定や教義の明文化（「融通円門章」等）を行い、大念仏寺を総本山とする融通念仏宗の公認(1688)を得、再興の祖とされる。
極楽から来迎する菩薩衆に扮した行列が境内に仮設された橋を通って大堂へと向かう。金色の菩薩面と華麗な衣装で、実に「美々しき」もの。同様の行事は、最も著名な当麻寺をはじめ、大和久米寺、岡山誕生寺(同)(同)、京都泉涌寺即成院、岡山牛窓弘法寺、東京浄真寺、紀州得生寺等。大念仏寺における錬供養は、1349(貞和５)年三月十五日、融通念仏中祖法明坊良尊が、当麻寺の中将姫忌日の二十五菩薩来迎供養を移して行ったのが最初であると伝承されている。いつの頃からか、五月の万部会で行われるようになり、戦前は五月一日から十日間行うのが恒例だった。戦後、一時期三日間に短縮され、現在は五日間となっている。法明上人の六百五十年遠忌法要には、七日間に拡大されて行われた）。遠忌法要の年は二十五菩薩だが、平年は、十一尊天得如来にちなんで十菩薩で行われる。明意上人の最晩年、1873(明治６)年には、四天王寺太子堂再建を支援するためか、五月五日から十日間、四天王寺に二十五菩薩が出張錬供養を行った（年表参照）。
御影堂の通称。桁行五間梁行五間、前拝所棟行一丈二尺梁行二間で、大通融観の真影と、その両親の位牌を安置していたという。1716(正徳６)年十月四十七代忍通創建（これは、大通融観の没年を1716年とする前提）、1826(文政９)年頃大破、1862(文久２)年三月五十二世教弥再建。1898(明治31)年五月二十二日、主要伽藍と共に焼失し、現存しない（「平野郷町誌」）。境内の一角には、大通上人建立の円通殿（観音堂）が残っている。