Cunningham -CX-220-

　弱々しく見えるステムから、三本の太い支柱が立ち上がる。中央は、円筒形プレートの柱。左側は、スパイラルグリッドの軸を上端と下端を固定。右側は、フィラメントの上部懸架。左端から水平に出ているのは、フィラメント下端の支持。中央支柱がプレートの外側の一端にあるので、電極構造本体は、全体的に管内の中央からかなりずれた位置（右の写真では奥の方向）をとる。

　171(A) や 112(A) にせよ 120 にせよ、それらのための新たなラジオ回路に使われもしたが、既存のラジオの出力段に挿し替えられることがしばしばあった。必要に応じて電池を追加すれば、手持のラジオが大出力にグレードアップできるというわけだ。しかし、199 を用いた乾電池点火ラジオにおいて大きな割合を占めていた小型UVソケットには、UXピンの 120 を適用することができない。この問題を解決するために、RCAは、120 の小型UVベースタイプを製造するのではなく、下記のようなアダプタを用意する道を選んだ。

Instructions for Using Model UR-556 Adapter
The Model UR-556 Adapter is designed for using Radiotron UX-120 in the last audio stage only of radio receiving sets originally using Radiotrons Model UV-199, and more particularly in Radiola Super-VIII or Radiola Super-Hetero-dyne (Second Harmonic). The use of this Radiotron as the last audio amplifier will provide greater volume of signal along with increased quality of reproduction. The Adapter takes care of the difference in sise and arrangement of the contact pins in the bases of the two Radiotrons, and provides terminals for making ready connection to the additional plate and grid bias batteries required for the new Radiotron.

　71A が米国で、12A が日本で、それぞれ交流ラジオ時代も生き延び、更には小型オーディオ球として現代でも賞用されているのに対し、120 は、199 と運命を共にし、現役を引退してしまった。米国では、アンティークラジオの保守用に売りに出されていることもあるが、199 程には珍重されていないようだ。どうもピンチヒッターのイメージが抜けないままに終わったのが、気の毒な球ではある。